スンダの伝説~トゥラガ・ワルナ(Telaga Warna)

プロローグ

トゥラガ・ワルナ(Telaga Warna)はスンダ地方の伝説です。

西ジャワ州のジャカルタにほど近いボゴールの近くにある湖についての物語です。

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クタングゥハン王国

昔々、インドネシアの西ジャワにクタングゥハン(Kutanggeuhan)という王国がありました。

クタングゥハン王国の王はプラブ・スワルタラヤ(Prabu Suwartalaya)といい、女王はラトゥ・プルバマナ(Ratu Purbamanah)といいました。この素晴らしい王と女王のもとで、クタングゥハン王国は繁栄していました。

しかし、幸せに暮らしていながらも、王と女王はまだ子どもを授かっておらず、そのことでいつも大変悩んでいました。女王の悲しそうな様子を見た王は、子どもを授かることができるように、森の奥で座禅を組んで、祈り続けていました。

ギラン・ルクミニ姫の誕生

それから、何ヶ月か経ち、王と女王はやっと可愛い女の子を授かることができました。

その子どもには、ギラン・ルクミニ(Gilang Rukmini)という名前を付けました。王や女王とともに、クタングゥハン王国の国民も皆、とても喜びました。そしてまた喜んだ国民は、ギラン・ルクミニ姫にいっぱいプレゼントをしました。

何年間か経って、ギラン・ルクミニはとてもきれいなお姫様になりました。

しかし残念なことに、あまりに甘やかされて育ったので、彼女はわがままな子になってしまいました。自分の思い通りにならなかったら、すぐに怒って悪口を言ってしまいます。

わがままなギラン・ルクミニ姫

そして、いよいよ姫の17歳の誕生日が近付いてきました。誕生日の前に、国の人々は宮殿へいろいろなプレゼントを持って来ました。 ※インドネシアでは成人年齢は17歳です

しかし、王様はそのプレゼントを国民のために使いたかったので、それらを宮殿に保管することにしました。ほんの少しの金・銀、そして宝石だけを取り、宝石商にお嬢様の誕生日プレゼントとしてネックレスを作らせました。

そして、幾日かが過ぎ、ついに姫の誕生日が来ました。国民は皆、広場に集まりました。王と女王と美しい姫の到着は、広場にいる人々の熱狂的な歓声と拍手で迎えられました。

それから、王は宝石商が作ったネックレスを姫に渡し、こう言いました。

「娘よ、これは国民からのプレゼントだ。皆、あなたの成長を喜んでいて、あなたをとても大事にしてくれているのだ。だから、これを身に付け、皆を喜ばせてあげなさい。」

しかし姫は、

「嫌よ。だって、このネックレスはダサいじゃない。」

と言いながら、なんとネックレスを投げ捨ててしまいました。

ネックレスは地面に落ち、ばらばらに壊れてしまいました。

すると、広場にいる国民たちは急に静かになりました。姫がそんなことをするなんて、誰一人として想像していなくて、国民たちは大きなショックを受けました。

急に、女王が泣き始めました。娘の行動が見るに堪えなくて、とても悲しくなってしまったのです。そして、女王が泣いている姿を見た国民たちもまた、泣き始めました。

彼ら、彼女らの涙はずっと止まらず、まるでその涙は洪水のようになりました。また、地面からもにわかにたくさんの水が出てきました。それらの水によって、クタングゥハン王国は沈み、そして湖になってしまいました。

今も残る美しき湖トゥラガ・ワルナ

この湖はトゥラガ・ワルナ(Telaga Warna)という名がつけられました(インドネシア語で、Telagaは湖、Warnaは色という意味です)。

それは、天気が良い日には、湖はカラフルになり、とてもきれいだからだそうです。

その湖のカラフルな色はばらばらに壊れたギラン・ルクミニ姫のネックレスが反射しているからだと信じられています。

この湖は今も西ジャワ州のボゴールの近くにあります。

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参考:Wikipedia (Sangkuriang_(legenda))
翻訳、意訳:りす、どぅいんだ、KMG(バンドゥン・ポータル)
絵:ふぁふぁ(バンドゥン・ポータル)